【王子 小2 7歳】
王子は、コンサータが、嫌いです!
王子が、コンサータを、飲みはじめたのは、サピックスに通いはじめた、1年生の2月からです。
最初の頃は、元気がなくなり、話さなくなる感じでしたが、「クスリが、飲みたくない。」と、言うことはありませんでした。
でも、2年の秋頃から、
「クスリを、飲みたくない。」
「クスリのことを、考えるだけで、嫌だ。」
等々言いながら、しょんぼりすることが、多くなってきました。
王子は、自閉スペクトラム症の影響で、自分から話しかけること、自分の気持ちや考えを伝えることが苦手なので、あまり不安や不満を言わず、かなり我慢強いタイプです。
なので、王子が言った、ということは、王子にとって、かなり深刻だということでした。
そこで、具体的に、コンサータの、何が嫌で、何が良いのか、王子と、ママリは、話し合いました。
王子は、なんだか、複雑そうな表情で、話しはじめました。
「クスリを飲んでると、イライラしてきて、悪い気持ちがでてくる。」
え?
なんだって?
悪い気持ち?
どういうこと?
「普段は、学校での待ち時間でも、特にイライラはしないけど、クスリを飲むと、イライラ、イライラしてきて、すごく嫌だ。」
「説明を、一回聞けば、理解できるのに、先生はおんなじことを、何回も、何回も、言ってきて、イライラする。問題をはやく解いても、ずっと待ってなきゃいけないから、イライラする。」
↑ これは、実は、IQが高い子供達が、よく、学校について、言っていることのようです。
なので、王子は、コンサータを飲むと、高IQの子供達寄りの、性格になるのかもしれません??
いや、どうだろう?
分かりません。
普段の、王子の性格は、発達障害の子供達寄りだと思います。
↑ 偏見かもしれません。
ごめんなさい。
でも、実際に、↓ これらの性格は、コンサータを飲むと、変わります。
① 王子には、発達障害特有の、元気さがあって、王子は、ニコニコしていて、元気です。
コンサータで、王子は、静かで、クールになり、笑顔、元気さが減ります。
② 王子自身が、細かいことに気づかないので、王子も他人を、あまり怒りません。
プンプンしたり、ブーブー文句は言いますが、怒って、声を荒げることはありません。
穏やかな性格なのかと思っていましたが、確かに、言われてみると、感情の起伏が少なめ (自閉スペクトラム症?) だから、イライラしない、怒らないのかもしれません。
王子は、基本的に元気で笑顔で、喜怒哀楽はちゃんとあって、特に、喜と楽は、すごくあります。
でも、怒と哀は、穏やかめなのかもしれません。
あまり怒らず、悲しみも、痛みも、すぐに、乗り越えられるタイプです。
怒られて大泣きしても、すぐに、切り替えられるタイプです。
メンタルは、オリハルコン級です。
コンサータで、もしかしたら、感情の部分が、普通の人間寄りになって、感情の起伏が激しくなって、イライラがでてくるのかもしれません。
うーん、でも、喜怒哀楽の、怒だけが増えるって、不思議ですね。
王子には、かんしゃくや他害もなく、何かあると、固まり、黙り、すすり泣く感じの子星人です。
そんな陽気な王子なので、自分が、イライラしてしまったことに、驚いたようでした。
モジモジしていました。
あ、もしかしたら、成長の証、の可能性もありますねー。
7歳って、多感ですもんね。
うーん、分かりません。
こういうのは、多分、王子の性格、脳、特徴、体、環境、状況、全てが複雑に入り混じっていて、はっきりとした、原因や評価は、できなさそうですね。
ママリは、コンサータの副作用について、調べてみました。
そこには、なんと、
《悪心》
って、書いてあったんです!
悪心 = 悪いことをしようとする心。
ですよね?
副作用に、悪心 ( ゚Д゚)
ママリは驚いて、王子に、これを見せました。
モンスターを狩る係は、正義の味方なはずなのに…
『クスリのせいで、悪い心になっちゃうんだ…。』
と、二人で、しょんぼりしていたら、
悪心
おしん。吐き気のこと。
という、もう一つの意味が、ありましたー。
知らなかったー(笑)
「あ、悪い心じゃなくて、病気の説明の時とかには、おしん、って読むんだって。吐き気のことみたい。」
と、二人で、なんじゃそりゃーー、と大爆笑しました(笑)
というのは、さておき、
「イライラしてくる。」
「元気が出ない。」
「頭の中が、遅い。」
「なんか、嫌だ。」
と、王子が、サピックスの日になると、元気がなくなっていきました。
そこで、まずは、試しに、
コンサータなしでも、サピックスの授業を受けて問題ないか、試してみることにしました。
実は、以前、王子は、クスリを飲み忘れて、国語の授業に出たことが、あります。
その結果、王子自身が、体が動いてしまったり、気が散ってしまったりして、ダメだったと、帰ってきました。
そこで、算数なら、クスリなしでもいけるかもしれないと、算数だけでも飲む回数が減ればと、試してみました。
王子は、首を左右に振りながら、サピックスから、でてきました。
「僕が動いて、テーブル?が動いちゃって、隣に座ってた○○ちゃんの体も、一緒に、動いちゃってた。」
なるほど。
国語も算数も、コンサータなしでは、難しいと、王子自身が、判断しました。
ママリは、改めて、注意欠如・多動症の薬について、調べました。
薬は、おおざっぱに分けると、2種類あります。
① 毎日飲んで、常に、注意欠如・多動の症状を、和らげるもの。
② 朝飲んで、何時間かだけ、効果が出るもの。
王子は、小学校では、薬は飲まなくても大丈夫、と言われています。
なので、王子家では、何時間かだけ効果がある、飲む日時を決められる、②のタイプが良いのでは、と考えていました。
そして、それが、以前試してダメたっだ、ストラテラと、今、王子が嫌がっている、コンサータです。
調べた他の2つの薬は、①のタイプでした。
あ、これは、ついに、
毎日、飲むか
サピックスを、やめるか
の、選択が、迫られるのかな…。
と、ママリは覚悟を決めて、病院で、精神先生Ⅱに、相談しました。
「コンサータは、かなり強くて、オン・オフが、本人に分かるくらい、はっきりしてる。」
「実は、新しく出せるようになった、ビバンセという薬が、効果がマイルドで、効かせたい時だけ、飲むタイプです。」
ビバンセ。
なんか、良さげな名前でした。
試してみることに、なりました。
ママリは、まず、副作用を確認しました。
① もっと、飲みたい、不安な気持ちになる可能性あり。
② 食欲減退、体重減少、身長の増加抑制。
③ 夜眠れない、もしくは、昼眠くなる。
④ 血圧上昇、頻脈。
⑤ 攻撃的な態度や、行動。
※海外に持っていく場合は、許可申請が必要。
※盗難にあったら、警察に届けること、飲み忘れは、薬局に戻すこと。
※めまい、眠気、物が二重に見える、目がかすむ、等の、症状が、出るかもしれないので、車の運転はしないように。
おおう。
けっこう、大変そうですね。
やはり、精神に作用する薬には、それなりの、リスクがあります。
冬休みのある日、王子は、朝、ビバンセを、飲みました。
「あ、これ、良いかも。」
「強くないけど、何も考えなくても座れるし、一つのことが、できる。」
王子の感想に、ママリも、ほっとしましたー。
良かった。
そして、ママリが見た感じも、良さそうでした。
① 王子の気配が、消えました。
王子は、雑で、おおざっぱで、まわりを、いまいち、見ていません。
そのため、歩きながら、物が足に当たったり、それを蹴とばしたり、本を読むのも、ページをめくる音がするくらい、おおざっぱで雑です。
なので、ママリは、王子の姿が見えなくても、だいたい、どこらへんで、何をしているのか、家の中の音で、分かります。
しかし、ビバンセを飲んだその日、王子の気配が、消えました。
体の揺れ、立ってしまうこともなく、王子は、静かにページをめくり、ナゾナゾの本を、読んでいました。
② 一つのことに、集中できる。
ナゾナゾの本、王子は大好きですが、それでも、王子の気は散ります。
いつもの王子だと、ナゾナゾの本を読みつつ、百人一首を並べ、何か書いたり、しています。
王子のまわりに、何種類もの物が、置いてあって、王子は、その全てで、遊んでいる感じです。
これは、一つのことに集中できず、見るもの見るものに、手が伸びて、やってしまうからです。
でも、この時、王子は、ナゾナゾだけを、ずっと、静かに、集中して、やっていました。
③ 物を口に入れる、舐める、が、なくなります。
王子は、刺激を欲していて、手に触れたものは、触りたい。
手にあるものは、舐めたい、子星人です。
2年生の今、なおってきていますが、この特徴は、かなり、ママリと、パパ虫を悩ませてきました。
それが…
クスリで、一発で、なおせるんですよ、これが。
( ゚Д゚) ですよね?
↑ これらは、ビバンセを飲んだ時の様子ですが、コンサータでも、同じような効果があります。
ビバンセも、良さそうな感じがしました。
そして、更に、
ビバンセの、とてつもなく、良かったところが、
♬ 王子の元気は、そのままだった。
これです。
コンサータだと、「疲れる、元気がでない。」と、言っていた王子ですが、ビバンセでは、元気があるまま、注意欠如・多動症の特徴が、和らいでいました。
ママリと王子が、大喜びをしていたところに、
飲んで、2時間後くらいです。
王子が、
『眠い。』
と、言いました!
あ、これ。
ダメなやつだ。
王子は、普段、日中、ほとんど寝ません。
とっても疲れる、何かがあった時くらいです。
そして、ママリは、以前、王子が、ストラテラを飲んだ時に、泥のように眠ってしまったことを、思い出しました。
この時は、王子は、パタリと倒れて、そのままミイラのように、動かなくなりました。
「眠い。」
悪い予感が、ママリを、襲いました。
王子は、すぐに、横になりました。
そこから、
脳は起きてる、体は眠い、寝たいのに眠れない、体が動かない、遊べない、妄想もできないような状態が続いて、やっと寝れた、と思っても、すぐに起きて、王子は、フラフラしていました。
話しかけても、返事もない感じでした。
そして、夕方頃、吐きました。
結局、その日は、昼も夜も、おやつも、何も食べれず、吐いて、寝た、ということに、なってしまいました。
見ていて、辛そうでした。
薬が抜けた次の日には、王子は、元気になっていました。
ビバンセは、王子に、合わないですね。
王子が試した薬は、3種類で、ストラテラ、ビバンセが、王子に合いませんでした。
コンサータは、王子は、好きではありませんが、ギリギリ、共存できるレベルだということが、分かりました。
こうして、王子が、サピックスに行くために、コンサータを飲むことを、選びました。
2年の冬、今は、コンサータの文句も、あまり言いません。
「嫌で、嫌で、嫌だけど。ビバンセと比べたら、全然良いもん。」
だそうです。
薬。
難しいですね。
かなり、子供によって、合う合わないが、ありそうです。
王子の場合は、睡眠、食欲に、影響が出やすいのかなと、思いました。
それにしても、集中力が改善されるのは、なんとなく理解ができるのですが、性格が、おおざっぱで雑なのが、静かになったり、物を舐めるのが、なおるのも、不思議です。
不思議ですね。
薬を試したことで、王子のどの特徴が、注意欠如・多動症の影響なのか、分かったことが、けっこうあるので、良かったです。
ちなみに、王子の成績にも、かなりの影響が出ます。
これについては、また今度、書きます。
1年生の頃、王子は、全国統一テストやWの夏期講習は、クスリを飲まずに行っていました。
その頃は、他の子共達も、ガチャガチャしていました。
でも、2年生になった今、他の子共達は、かなり、きちんと座れるように、なっています。
王子も、座れるようになってはいますが、どうしても、みんなより、遅いです。
他の子共達の様子と、王子の体調を考えつつ、その日の予定と、クスリのあるなしを、ゆくゆくは、王子自身が、決めていければいいなと、ママリは思っています。
今は、王子の判断が甘いので、
「クスリなしでいけるー。」
と王子が言っても、後から話を聞くと、
「それ、飲んでいった方が、良かったよね⁉」
というようなことが、あります。
でも、その失敗も、王子にとっては大事な経験です。
それをもとに、王子なりの星人生を、送ってほしいなと、ママリは、考えています。
クスリを飲むと、静かで、冷静な、クール王子に、レベルアップできる王子ですが、ママリもパパ虫も、飲んでも、飲まなくてもいいと考えています。
正直、7年間、一緒に過ごしてきた家族としては、王子のもともとの性格のほうが、王子には、合っている気がします。
雑でおおざっぱでもいいし、いたずら好きで、怒られててもいいです。
鉛筆舐めてても、嫌だけど、いいです。
だから、クスリに関しては、王子本人が、
「飲んだ方が良い、楽に暮らせる。」
と思えば、飲めばいいし、飲まなくてよければ、飲まなくてもいいと、ママリも、パパ虫も、考えています。