【王子 小2 7歳】
王子は、数字が大好きですが、
「他に好きな物は?」
と聞かれると、パズル、問題、地図等、数字から連想できる物が並んでいきますが、
意外にも、
バス旅、テニス、甲子園
と、続いていくんですね。
それを聞くと、人間達は、
「ああ、数字の他にも好きな物、あるのね。」
よかったね、と安心した感じになります。
特に、
「野球、好き」
は、受けがいいですねー。
健康的?
だからでしょうか?
でも、
そんなことは、
あ
り
ま
せ
ん!
王子の、全ては、『数字へと、つながります。』
全ての道は、ローマへ通ず、と全く、同じです(笑)
バス旅 → 時刻表、住所、ウハウハ。
テニス → スコア、点数が0、15、30、40と増えていく不思議なゲーム、ウホウホ。
野球 → スコアボード、ストライク・ボール等が書いてある画面がイケてるぅ☆、モエモエ。
なるほど。
実は、ママリ。
テニスを見るのが大好きで、圭君の試合があると、テレビに、かじりついています。
王子が、はじめてテニスを見たのは、3歳半頃だったと思います。
王子も、テレビに、かじりつきました。
が、圭君のことは、全く、見ていませんでした。
王子が見ていたのは、スコアです。
「なんで、数字が、変わるの?」
から、はじまり、ゲームの取り方、セットの取り方、試合の勝ち方等々を、ママリが教えました。
王子は、圭君も、ジョコビッチも、見ることはなく、どの大会で優勝すると、何ポイントもらえる、世界ランクが上がった下がった、まー、色々と、ママリと、熱くなっていました(笑)
圭君が、四大大会で優勝する姿を見ようと、二人で、応援していました。
が、王子は、テニスの応援にはすぐに飽きて、違うものに、はまりました。
それが、テニスの大会に出てくる、
トーナメント表
です。
そして、王子の情熱は、テニスから、甲子園へとうつりました。
野球のスコアボード、バッターの状況、塁の形等々、色々と、王子は、大興奮していましたが、やっぱり大好きだったのは、トーナメント表で、兵庫県の表を見て、半分のバージョンを作って、王子甲子園を開催していました。
「う゛う゛う゛う゛う゛ーーーーーーーー。」
ある夏の日、低い、うなり声みたいなものが聞こえて、ママリが、王子の方を見ると、まさに、王子甲子園の決勝戦が開幕したところで、甲子園で、試合開始の時に鳴るサイレンを、王子が、再現していました。
そこから、
「決勝戦の、はじまりです。王子第3高校は、2年連続決勝進出の、王子第254高校に、勝てるのでしょうか?」
「ピッチャー投げました、初球はストライク。はたして、このまま、バッターをアウトにできるのでしょうか?一番バッターは…。天気は…。今までの対戦成績は…。」
と、これを、小2王子は、試合が終わるまで、やっていました。
そして、王子の中継が終わったので、ママリが、
「どっちが勝ったの?」
と聞くと、頭を振って、
「9回裏で同点延長からの、再試合になったから、まだ、どちらが優勝するかは、分からない。」
と、まじめな顔で、言われました。
ふむ、ハードな試合だったようです。
それを、多分、王子は、トーナメント表にある、70試合ぐらいを、本気で、やってました。
王子の、妄想力は、こんな感じです。
楽しそうでした♬
甲子園に、はまった王子を見て、パパ虫が、
「クリスマスプレゼント、グローブにする?」
と、聞いてきました。
王子とママリは、二人で、
え゛?
「いらないんだけど。」
と、答えました(笑)
王子、野球、全く、やらないよ。
全然、健康的ではないですよ。
王子甲子園は、紙の上、頭の中、ですよ。
「なんで、グローブ?」
せめてバットのほうが、まだ、モンスターとの戦いにも、使えるのでは?
と、ママリが聞くと、
「いつも本だから、王道のプレゼントも、いいんじゃないかと思って。こういう機会がないと、野球の道具、買わなくない?普通、家にあるじゃん。野球の道具。」
と、パパ虫なりの、理由がありました。
あ、そういうことね。
確かに、こういう機会がないと、王子家では、グローブを、買わないかもしれません。
「いらないよー。」
一方の王子は、全く、興味なしでした(笑)
そこで、ママリが、
「じゃあ、スコアボード、買ってもらったら?」
と言うと、
「いる!欲しい、欲しい☆」
と王子は、大喜びしていました。
でも残念ながら、スコアボードは、却下になりました。
以前、
「数字好きは、短所。」
と、言われたことがあります。
数字が好き = 発達障害の予兆
と、感じる人間も、いるようです。
その時、
「最近、3歳の息子が、数字に興味があるみたいで、チャタ君と、同じになるんじゃないかと、不安で、夜も眠れない。」
とも、言われました。
ママリの顎が、外れました。
これは、このママの、本音でしょう。
子共が、発達障害ではないことを、願う気持ち、不安な気持ち、もちろん、ママリにも、理解ができます。
でも、ショックでしたね。
王子は、確かに、みんなと遊び始めた3歳頃、みんなの輪の中に入れず、近くのベンチに一人で座っていたり、自転車にのったりしていました。
挨拶されても、話しかけられても、答えられない、そして突然、時間を言ったりしていました。
王子は、発達障害の影響で、家で普通にできることが、外では、体が動かなくなっていました。
でも、小1当時、王子の特徴は、少し、改善されていました。
王子は運動が苦手で、大縄飛びは、飛べませんでした。
王子から、友達を誘うことも、王子の意見を言うことも、できませんでした。
でも、挨拶には、手を振って返したり、みんなと鬼ごっこもしていましたし、人数が少ない時は、話していました。
体が動かなくなることもあったけど、言いたいことも伝えられていなかったけど、王子なりに工夫をして、頷いたり、相手に合わせていました。
どうにか、やっていけてるように、ママリには、見えました。
王子は、自閉スペクトラム症全盛期だった当時、できる限り踏ん張って、ほぼベストパフォーマンスな状態で、みんなと一緒に、遊べていたのです。
そんな王子の状態でも、
「チャタ君のようになったら、不安。」
「発達障害だから、一緒に、遊んであげてたのに。」
「せっかくみんなで仲良く遊んでるのに、チャタ君がいると嫌だ。入ってこれないなら、一緒に遊びたくない。」
「数字が好きで、それしかできない子。」
等々と、言われてしまったんですね。
「みんなが、チャタがいることで、嫌な気持ちになる。」
「チャタの特徴は、今以上の改善には、まだまだ時間がかかる。」
ということは、
「みんなに、むりに遊んでもらうのは、申し訳ないので、もう、一緒に遊んでくれなくてもいいよ。」
という選択肢しか、ママリと、王子には、残っていませんでした。
王子も、かなり、ショックだったと思います。
やっと、『普通』に遊べるようになってきたと思っていたら、『普通』の壁は、エベレストよりも、何倍も、何倍も、高く、険しかったです。
この時、王子とママリは、諦めました。
『普通』になるのは、無理だと。
この日以降、ママリは、王子は、王子家で育てることを前提に、物事を考えるようになりました。
それにしても、難しいです。
発達障害の王子は、みんなと、対等ではなかったんです。
王子が、発達障害だと、みんなに伝える。
↓
伝えられた方が、気を遣わなきゃいけなくなる。
↓
対等に、遊べない。
という流れに、なってしまったんですね。
この時、
『数字好きは、長所だ。』
『発達障害でも、大丈夫だよ。』
と、もっともっと踏み込んで、戦うべきだったかは、今でも、答えが出ません。
お互いを理解するためには、お互いの本音を言い合って、お互いに歩み寄って、握手をする、というのが、理想なのでしょうが、ママリには、できませんでした。
多分、ママリが言い返していたら、泥沼の戦いが勃発していたと思います。
この問題に、時間と精神力を割くのは、きついです。
こういうことも、あります。
でも、ママリは、数字好きが短所だなんて、全く思えませんし、この先、思うこともないでしょう。
もしろ、可能性の塊です。
宝箱です☆
数字が、算数に、パズルに、クイズに、バス旅に、テニスに、甲子園に、MATHコンに、どんどんつながって、広がっていきます。
王子自身が、こっそりと、『長所だよ』ということを、ママリの目の前で、証明してくれています。
因みに、王子の学校の自由帳は、王子が、隙間時間に書いた、トーナメント表だらけです。
こういうのも、言われるんだろうか。
難しいですね。
まあ、なんにせよ、小学生王子は、書き続けています。
がんばれ、王子。
トーナメント表…
何か、魅力があるんでしょうね…♥