【王子 小2 7歳】
ママリは、考えました。
ママリは、しょんぼりして、口数の減った王子に、
『どんなモンスターでもぶっ飛ばす、最強の武器を、持ってほしい。』
そう、思いました。
ママリの、数星の王子に対する教育方針は、『算数分野のことには、ママリは、なるべく、手出し口出しは、しない』ことです。
ママリの仕事は、王子に、『算数を教えること』ではなく、王子が、自由に考えられるような、『環境を整えること』です。
例えば、大きなホワイトボード、数字のマグネット、計算機、王子が興味を持ちそうな本やドリル、おもちゃ等を、王子のまわりに、揃えることです。
この時、一年の夏、王子6歳、環境は、『最悪』でした。
だからママリは、王子が『楽しい♥』と感じて、さらに、王子に自信を持たせてくれそうな環境を求めて、算数教室を、調べはじめました。
王子家では、王子のことは、王子が決めます。
でも、選択肢を用意するのは、ママリです。
だから、「王子が納得して、算数を好きでいられて、挑戦できる場所を探そう。」ママリはそう思い、色々と調べて、王子を連れて行きました。
まず、大手のKに、行きました。
ここは、実は、当時の王子の希望にぴったりで、もうできる内容 (王子は家では割り算をやっていましたが、Kでは足し算からはじめると言われました) を、山ほどやらせてくれて、みんなが、褒めくれる場所でした。
幸せそうな王子を見て、一瞬、ママリも、「王子にとっては、こういうところが、幸せなのかもしれない。」と、思いました。
先に進めば、問題も難しくなるので、いいかもしれないと。
でも、幼稚園時代の王子は、
「簡単な問題を、沢山やりたい子」
ではなく、
「難しい問題に、挑んでいく子」
でした。
その心意気を、どぉぉぉぉぉぉしても、思い出してほしいと、ママリは、考えていました。
P道場に、行きました。
P道場は、算数の勉強、というよりも、パズル等を通して、算数のセンスを養っていく所で、ママリは、とても好きです。
ただ、内容が、一人で黙々と、家にあるドリルと同じような問題をやっていくので、わざわざ、通う必要があるか、悩みました。
ご近所の塾を、いくつか、見学しました。
王子にとっては、あまり、手ごたえがなかったようです。
先生一人に対して、生徒が沢山いて、みんなが違う勉強をしている所が多かったです。
大手進学塾Nの、体験授業に、行きました。
ここは、考えることを大切にしていて、実験等を通して、感動したり、クラスメイトと話しあうことを通して、自分の考えを持ったりすることに、力を入れています。
大手進学塾Wの、夏期講習に、参加しました。
ここは、学校の延長のような感じで、勉強をしている感が、強かったです。
王子家では、王子のことを決めるのは、王子自身ですが、全員に、意見を言う権利があります。
ママリ、N。
考えることが大好きな王子に、ぴったりだわ♥
パパ虫、W。
勉強が、できるようになりそう。
王子、W。
だって、算数がしたいんだもん。
そりゃ、そうだ。
ママリおすすめのNは、そもそも、算数の問題を、やらないのですよ(笑)
さて、みなさん。
「あれ、サピックスは?行かなかったの?」
そう、思いましたか?
そうなんです。
サピックスは、大人気で、空きがなく、入塾テスト・体験すら受けられない状態でした。
王子家の、最寄りのサピックスに、ママリが問い合わせたのは、王子、1年の夏でした。
そして、「2年になる時にクラスが増えるので、入塾のチャンスは、そこだけです。」と、言われました。
Wとサピックスの授業は、塾方式です。
王子が、沢山の選択肢の中から、塾方式のWを選んだのなら、ママリは、どうしても、進学塾の中でも、トップクラスの子供達が、沢山いる、サピックスも、体験してから、最後の決断をしてほしいと思いました。
サピックスは、他の塾よりも問題が難しいので、算数を、猛烈に好きな子供が、いっぱいいるはずだ、と思ったからです。
算数好きな子供の存在は、王子に、良い刺激になるはずだと、ママリは、考えていました。
小学校にも、もちろん、算数が猛烈に好きな子供はいるはずなのですが、ほとんどの子が良い成績をとるので、誰が、ものすごく、算数が好きなのかは、当時、分かりませんでした。
ママリは王子に、サピックスについて、こう説明しました。
①テストが難しくて、入塾できない子もいる
②算数が、すごくできる子達がいる
ママリの話を聞いた王子は、
「僕の算数は、普通レベルだから、サピックスには入れない。」
「サピックスには、行きたくない。」
と、サピックスの入塾テストを受けることを、拒否しました。
王子は、自信のなさから、難しい算数の問題と、向き合うことから、逃げようとしました。
サピックスには、無料の体験授業がありません。
塾のお試し体験ができる、短期の講習も、空きがありません。
有料の入塾テストと同時に、体験授業があるようですが、入塾しないと、実際の中の様子が、分かりません。
そこで、ママリは、王子を説得しました。
「サピックスを見ないで、塾を、決めてもいいの?」
「とりあえず、入塾テストを受けて、受かったら、3ケ月通ってみて。嫌だったら、WかP道場に行こう。」
王子は、ママリの説得に、渋々、納得して、「分かった。」と、頷きました。
入塾テスト、当日。
王子は、テストができず、ボロボロだったようで、泣きそうな顔で、サピックスから出てきました。
「算数が、できなかった。」
「絶対に落ちた。」
「僕は、サピックスには、入れない。」
と、数日間、イジイジモジモジ、していました。
因みに、このテストで、なんと、王子は、
「国語は、できた。漢字が一つ書けなかった以外、全部できた。」
と、喜んでいました。
ママリも、「ついに、国語を克服したのか。王子の、時代が来たぞー!!」と、密かに、喜んでいました。
結果…
算数は、そこそこ、点数が取れていました☆★
結果を見た瞬間、王子の顔が、ぱーーーっと輝いて、ニヒニヒ、しだしました。
ウジウジしていた王子の瞳が、ガツガツ、してきました。
ママリが知っていた、数字大好き王子が、復活した、瞬間でした。
そして、国語。
ボロボロでした(笑)
でも、算数ができていたことで、王子は、国語に、一切、関心がなくなりました(笑)
王子のメンタルは、オリハルコン級です。
そして、受かっていました↑↑
王子は、ずっと、ニコニコニコニコ、していました。
ママリが、難しいと言っていた問題が、そこそこできて、難しい塾に仲間入りできたことで、王子は、他の子共達よりも、算数ができるのだと、自分に、自信を持てました。
王子が解けなかった算数の問題が、「面白い」と、王子は、言っていました。
「間違えても、いいんだ。難しいんだから。」と、王子は、笑っていました。
それでも、「100点を取る子もいるんだ。」と、王子は、感心していました。
王子家、満場一致で、『サピックスがいいね』と、なりました。
実はママリ、王子には話さなかったのですが、王子が合格圏内だということを、試験を受ける前から、知っていました。
サピックスのテストは難しいので、合格点が、そもそも低いです。
算数が得意な王子にとっては、難しくて、他の子共が解けない問題を出してくれるサピックスの方が、難しい問題で合否が決まるので、有利でした。
テストが簡単で、みんなの平均点が高いと、王子は、ケアレスミスをけっこうするので、平均点周辺しか取れない、という可能性が出てきて、厳しくなってきます。
ママリは、そもそも、王子に、
自信を持たせるために、サピックスにチャレンジ
させたかったので、もし、
「落ちる」→ 王子の自信を、更に、更に、更に奪って、宇宙の藻くずにする
可能性があったら、そもそも、入塾テストを、受けさせていませんでした。
ママリは、勝負師ですが、この頃の、グラグラに不安定な王子を、そんな危ない戦いに挑ませるほど、鬼ではありません。
さてさて、受かった後に、大問題が、起きましたー。
ママリが、なんと、曜日を、勘違いしていました。てへ。
最寄りのサピックスでの授業と、王子の小学校での6時間授業が重なってしまい、通えないことが、判明したのです。
がびーん。
こうして、紆余曲折を経て、なんと、片道1時間45分もかけて、今の校舎に、通うことになったのでした。
さてさて、サピックスの効果は…
テキメンでした。
授業では、学校ではやらないような、面白い、考えさせられる問題をやります。
間違えるのが、当たり前なので、「間違えてはいけない」という、呪いから解放されて、王子は、自由になりました。
楽しくやっていたら、「簡単な問題も、難しい問題も、もっと、もっと、もっと、もっとやりたい!」という、情熱が、湧いてきました。
そして、王子の目の前に、王子よりもはやく、問題を解く子がいます。
でも王子も、負けていません。
挑戦しています。
戦っています。
戦えています。
そんなこんなで、王子の趣味は、テスト、になりました(笑)
ママリ母が、「テストの点数が悪かったら、どうするの?」と、ある日、聞いたそうです。
「点数が悪くても、いいんだよ。誰にも、怒られないし。」
「新しい問題を、沢山やりたいから、テスト大好き♥」
と、王子は、答えたようです。
王子家では、王子のテストの点数は、良ければ褒めますが、悪くても、怒りません。
怒る意味が、ないからです。
王子は、今のところ、色々な問題に挑戦するためにテストを受けているので、答えが合っているかどうかは、関係ありません。
面白い問題があったら、一緒に見て、感心しています。
ママリが、「塾はどこがいい?」と、最終確認をすると、王子は、迷わず、答えました。
「サピックス。」
「じゃあ、続けたらいいけど、嫌になったら、すぐに、やめてね。」
王子が行きたくないなら、行かせる意味がないからです。
1年生の頃、王子と算数は、少し、ピリピリとした関係になりました。
2年生の今は、穏やかです。
このような経緯があるので、冒頭の親子ゲンカ (☆★教育ママ??★☆①) で、王子が、まだレベル2で、こん棒しか持っていないのに、レベル10の、算数オリンピックの決勝の問題に挑んでいくことを、ママリは、とめられません(笑)
こん棒でも、とりあえず、やってみたらいい。
ダメなら、ママリもパパ虫も、一緒に考えるし、それでもダメなら、時間をおけばいい。
がんばれ。
そして、ママリは、いつも、言っています。
「王子が、算数ができなくても、大好き。」
「王子が、算数を嫌いになったら、他のものを探せばいいよ。」
この言葉を、はじめて王子に伝えた時、王子は、驚いていました。
「え?算数、できなくてもいいの?」
「いいに決まってる。できても、できなくても、王子だから。」
ママリは、海外育ちなこともあり、思ったことを、ストレートに伝えます。
特に、発達障害で、まだ裏表や、人間の機微を敏感に感じとれない子星人である王子にとって、これは、とても大事だと、ママリは、日々、感じています。
「算数は、嫌いにならないよ。」
王子は、笑っていました。
2年生の王子に、プレッシャーは、なさそうです。
1年生の頃より、今の方が、算数は、できていると感じます。
あ、でも、サピックスのテストの点数だけは、王子は、とても、気にしています。
クラスが変わるのが、嫌だそうです。
「良い順位を取りたい」という闘争心と、「他のクラスメイトと、考えるスピードや感覚が合うので離れたくない」という仲間意識が、あるようです。
会話をしたことは、一度もないと思うのですが、何か、通じるものが、あるようです。
この、仲間意識や闘争心は、良し悪しですが、今は、良い方向に進んでいそうなので、しばらくの間は、様子見です。
中学受験は、4年生からの通塾が一般的なので、4年時に、優秀な子供達が、沢山入ってくるようです。
その頃は、教科も、4教科で、王子の天敵、図形問題が、ぐっと難しくなるようです。
王子は、発達障害の影響で、図形や三次元を捉えるのが苦手で、複雑な図形問題は、そもそも、王子の目では、図形が見えない、という状態に陥る可能性があります。
王子の、数字人生の山場は、間違いなく、この頃にやってくると、ママリは、覚悟をしています。
図形ができなくて、算数を諦めるか、乗り越えられるかは、分かりません。
どちらにせよ、サピックスだけが、王子の生きがいにならないように、気をつけつつ、サピックスを、満喫していこうと思います。
ママリは、遠いあの日、他の子共達からバカにされている王子を見て、悔しくて、「いつかあいつらに、目にもの見せてやるぞ。」と、拳を握りしめました。
子供相手に、すみません。
大人げないですね、でも、
「絶対に、開成中学にいれてやるーーー。」
と、燃えました。
でも、それは多分、王子のためではなく、ママリのためですね。
中学校は、偏差値に関係なく、王子の数字愛を認めてくれるところがいいなと、今のママリは、考えなおしました。
実は、最初にそう言っていたのは、パパ虫でした。
ママリが、王子に算数の才能がありそうだと、パパ虫に相談した時に、パパ虫が、「開成に入れたいとかじゃなくて、偏差値が低くても、チャタに合った学校に入れればいいよ。」と、言いました。
ママリは、「王子のことを、考えているな。」と、その言葉に感心して、考えを、改めたのです!
それなのに…
最近、パパ虫が、サピックスで頑張っている王子を見て、「偏差値が高い学校に、行かせてあげたいね。」と、言い出しました。
え゛?
ママリは、ジト目で、パパ虫を、見つめました。
まあ、そのうち、パパ虫もまた、「偏差値に関係なく、王子に合った学校に行けたらいいね。」と、言い出すことでしょう(笑)
この間、ママリが、
「あーあー。きっと、教育ママって、思われたよね。」
と、パパ虫と話していたところに、王子がやってきて、
「教育ママって何?」
と、聞いてきました。
「子供に、勉強ばっかりやらせる、ママのことだよ。」
と、ママリが答えると、なんと、王子の瞳が、★キラン☆キラン★と輝きだして、ニコニコっと笑って、楽しそうに、歌いだしました~♪
『教育ママ~♬ 大好き♪ 最高♪』
ぐふっ。
ママリは、吹き出しました。
教育ママ、最高♪
因みに、2年生の王子は、色々なことが吹っ切れて、小学校でも、「数字が好き。」と言っているようです。
算数が得意な友達もでき、計算のはやさを、王子が勝手に、心の中で、競っているようです。
楽しそうですね♪