【王子 小2 7歳】
ママリは、クスリを試すことにしました。
まず、精神先生に相談しましたが、最初は、「困ってないなら、飲まなくてもいい。」と言われました。
そうですよね…。
でも、学校の勉強について聞かれたので、
「ケアレスミスが多い。」
「椅子から落ちている。」
「数字が好きだと、おかしいと言われた。」
という話をしたところ、精神先生は、考えを、変えました。
なぜなら、できないことが多かった1年生の王子にとって、『算数が、できること』は、王子の、唯一の、心の支えでした。
それが、注意欠如と多動の影響で、うまくいかないなら、クスリを試してみましょうと、なりました。
精神先生は、なるべく、王子に負担がないよう、「座れなくても、まわりの人間に理解してもらいましょう。」という方針でした。
でも、常に動き続ける王子を見て、
「チャタ君自身が、座れないことで、イヤな思いをしているだろうから、クスリで楽になれますよ。」
とも、言っていました。
王子がこの時、イヤな思いをしていたかは、実は、分かりません。
王子のメンタルは…
オリハルコン級です。
王子家で、最初に、試した薬は、
『アトモキセチンカプセル』
です。
ストラテラ、とも呼ばれているようです。
これは…
効果、一切、分かりませんでしたー。
なぜなら、飲んだ初日、普段は、日中、全く寝ない王子が、お昼ごろ、泥のように眠ってしまったからです。
次の日も試すと、同じ症状が出たので、「王子には、合わない。」という結論がでました。
次の薬は、
『コンサータ』
です。
コンサータは、不注意に効く薬ですが、脳の興奮を高め、不安感が増したり、躁状態になる可能性があり、中枢神経を刺激するため、依存に注意が必要だそうです。
そして、コンサータは、個人情報を登録して、毎回、王子の身分を証明する書類を見せないと、もらえない薬です。
かなり厳重に、管理されているようです。
実際、王子は、
〇 座れるように、なります。
「座らなきゃ、とか、何も考えなくても、座ってられる。」
学校でも、とてつもない変化だったようで、先生達から、コンサータの詳細を聞かれました。
学校での様子は、クスリを飲んでいる日は、余裕がある感じで、落ち着いていて、座れていて、これなら、高学年でも、普通級で問題ないと言われました。
ただ、副作用は、あります。
× 食欲が、落ちます。
「食べたい、気持ちが出てこない。給食は、小盛りにしてる。それでも、いつもより、食べるのに時間がかかっちゃう。」
王子は、普段、給食をおかわりすることもあるそうですが、クスリを飲んだ日は、食欲がなく、自分の分を食べるので、精いっぱいだそうです。
ただ、クラスに、『給食を、残さず食べよう。』というモットー?があるので、王子は、律儀に、小盛りを選んで、がんばっているようです。
ネットに浮いていた情報では、全く食べられなくなる子もいるみたいなので、それと比べると、王子の症状は、軽いようです。
コンサータは、おおよそ、12時間効くので、食欲のことを考えると、朝に飲む以外の選択肢は、ありません。
成長期の子供から、食欲を奪うのは、勇気がいる決断です。
×? 性格が、変わります。
2人目の精神科の先生、精神先生Ⅱに、確認したところ、「性格が、変わることはない。」と言われましたが、変わります。
別星人ですね。
王子の場合、クールで、大人っぽい顔つきになります。
王子は、普段は、ウフフアハハという感じの、朗らかな子で、よく話し、よく笑う、いたずらっ子なのですが、クスリを飲むと、なんと、テンションダダ下がりで、笑顔が減り、あまり話さず、いたずらもしなくなります。
王子の精神年齢は、発達障害の影響で、遅い、と言われています。
ママリは、王子 (7歳) の、普段の精神年齢は、普通の人間の子共より-2歳くらい、だと考えています。
クスリを飲むと、7歳に、ジョブチェンジできるのかなと、思っています。
因みに、病院では、王子の精神年齢は、もっと低い (3歳) と言われましたが、小学校では、そこまで低くないと、言われています。
色々な場所で、色々な評価がでてしまうのが、発達凸凹星人の、特徴です。
この間、病院で聞いたのですが、IQの差が30ある二人は、なかなか、会話が合わないそうです。
これは、一人の人間の中でも同じで、各検査の結果に、凹凸があればあるほど、自分の中にアンバランスさがあって、生きづらいらしいです。
IQは、賢さをはかるための数値ではありません。
その子の、生きづらさを見つけて、対策するための検査だと、ママリは、考えています。
王子の場合は、差が、26あります。
×?〇? 疲れやすく、元気が出ません。
↑で書いたように、王子のテンションが、下がる下がる↓↓ 原因は、疲れるからのようです。
王子には、発達障害の子特有の、元気さがあります。
「疲れた。」
この言葉、ママリは、王子から、ほとんど聞いたことがありません。
イベントの後とか、山登り中とかだけです。
でも、クスリを飲んだ日は、学校の後、車に乗ると、すぐ、
「疲れたぁ。」
と、言い、おしゃべりも、しなくなります。
「疲れてるから、話しかけないで。」
は
話し、かけないで?
そ、そんなこと、は、はじめて、言われたーーーーー。
ぐすん。
いつも、にぎやかな王子が、車の中で、無言になります。
ママリは、最初、あまりの変わりように、顎が外れました。
あれ?
王子に似た、王子じゃない子星人を、間違って、のせちゃったのかな?
と、本気で思うくらい、違いました。
パパ虫も、顎が、外れていましたー(笑)
良いことも、あります。
〇 注意力、集中力が、上がります。
王子は、普段、うっかりミスを連発します。
例えば、この間、お友達に、王子家の、ボードゲームのやり方を説明して、ヒントもあげていたんですね。
それなのに、王子が、自分で、こうしたらダメだよ、と言ったことを、王子がやって、負けてしまったんです(笑)
アホかー。
って、なるんですが、王子は、まずは「座らなきゃ。」と、頭の中で呪文を唱えつつ、目に入って、なおかつ、気になるものに、集中してしまう特徴 (注意欠如と過集中) があるので、1つのゲームに集中し続けることが、難しいです。
目に入るものが気になる → ガン見・集中 → 次の物も気になる → ガン見・集中 → 次の物が気になる。
これが、延々と続いていきます。
なので、王子の興味関心の幅を広げてしまう、習い事とか、ニュース等は、あまり増やさず、触れさせない方がいい、と言われました。
興味関心の幅を広げると、王子の、気になるものの数が、増えてしまうからです。
そうすると、ガン見するものが、増えてしまうので、注意力がどんどん散漫になっていくんですね。
でも、王子は、好奇心旺盛なので、幅を制限することはできませんでした。
ママリ自身も、王子には、色々な体験や物事を知ってほしいと考えていたので、この案は、王子家では、受け入れませんでした。
なので、とにかく、王子は、色々な物が目について、それについて、考えてしまいます。
ただし、数字関連のことは、それだけに、ずっと集中します。
ゲームの戦略?
練っているような顔つきで、練っていません。
多分、まじめな顔で、ゲーム盤を見つめながら、盤の上に書いてある数字を、足していると思います(笑)
そんなある日、ママリ母から、
「この間、チャタちゃんが、別人で、驚いてたら、クスリ飲んだって言ってたから、ママリ父と、クスリって効くのねーって話してたのよ。」
と、言われました。
具体的には、王子は、ママリ母と、トランプやゲームで対戦をして、勝った回数が多い方が、その日の勝者となるのですが、普段は、
ママリ母 VS 王子
だいたい、半々くらいの勝率らしく、王子は、ずっと、色々なことを、しゃべりながら、やっているらしいです。
それが、クスリを飲んだ日は、口数が少なく、ママリ母の戦略について、ああだこうだ解説して、王子が、ママリ母から、全勝をもぎ取ったらしいです!!
おお!
すごいですねー。
その日、王子は、ニッコニッコで、ママリに、自慢してきました。
なので、一つのものへの集中力は増し、注意力散漫は、改善されると思います。
ただ、例えば、算数オリンピックの問題のように、難問と言われる問題では、遊び心というか、自由さが必要らしいんですね。
クスリを飲むと、そういう問題は、できなくなるのか?
先生達から聞かれましたが、ママリにも、分かりません。
今年の6月に、算数オリンピックの、小学1年~3年生を対象にした、キッズビーのテストを受けました。
練習問題は、クスリなしで、やりました。
本番は、クスリを飲みました。
結果は、同じくらいの点数でした。
なので、同じくらいなのかもしれません。
ただもう少し、問題が難しくなってから、また、観察したほうがよさそうです。
ただ、王子に聞いたところ、王子の体感では、かなり違うようで、
「算数は同じだけど、国語をやる時に、スピードが落ちる。」
と、言っていました。
「とにかく、頭の中の、全てのことが遅くなって、すごく嫌だ。」
と、王子は、言っています。
ただ、それは、もしかしたら、良い点の可能性もあります。
なぜなら、王子は、基本的に、算数も国語も、問題を解くのが、はやいです。
問題だけではなく、基本的に、王子は、スピードがはやいです。
王子の体は、「ゆっくり歩く・待つ」が、苦手です。
ぴゅっと、走って、行っちゃいます。
王子の脳も、回転しています。
幼稚園の頃、色々と作戦を練っては、失敗していた王子ですが、その話を、当時、リハビリの作業療法士の先生、作業先生に話したところ、
「普通の、幼稚園児は、何も考えていません。幼稚園は、ただただ楽しいだけで、嫌なことがあっても、すぐ忘れて、また楽しい、そんな場所です。チャタ君は考えすぎで、ストレスがたまると思うので、心配です。」
これはね…
分かります。
他の人間の子共達を見ていると、そうでした。
みんな、困ってないんですね。
でも、王子の場合は、仕方がなかったと思います。
他の子共達は、何も考えなくても、幼稚園児に求められることが、まあまあ、できていました。
で、できないことがあっても、まあ、いいんです。
そのうち、考えなくても、できるようになっていたからです。
でも、王子の場合は、できるようにならなかった。
だから、王子なりに、考えて、工夫して、試すしかなかったんだと思います。
なので、もしかしたら、スピードが遅くなって、落ちついた方が、王子にとっては、良い可能性も、あります。
ただ、まだまだ、色々と変わると思うので、また、変わったら、報告します♪
クスリは、安易に、飲むべきものではありません。
ですが、王子の星人生がかかっているなら、試してみるのは、ありだと、ママリは、思っています。
実際、座れない、ケアレスミスが多い等々は、かなりの不利益を、王子が、被ります。
クスリで、緩和できるなら、一度、試して損はないと思います。
ただ、クスリの話は、とても、デリケートな問題です。
賛否両論があり、どちらも、あっているからです。
王子家のように、
「王子の利益のためなら、試してみよう。」
と、思う人間もいれば、
「子供が、薬を飲むくらいなら、その特徴があるままでいい。」
と、思う人間もいて、それはそれで、理解ができます。
『クスリを、子供に飲ませる』という決断は、簡単なことではありません。
後遺症が、残るかもしれません。
成長の、妨げになるかもしれません。
体が、おかしくなるかもしれません。
まして、王子家の場合、塾に行かせるために、クスリを飲ませるなんて、モンスター教育ママパパだと思う人間もいるでしょう。
でも。
王子、小学2年生は、今、サピックスに行く必要があります。
椅子に座ったまま、揺れなくなる、2年後ではなくて、今、です。
王子が、「サピックスに、行きたい。」と言った時に、『クスリ』という選択肢がなければ、王子は、サピックスに、通うことはできなかったと思います。
ママリは、心の底から、
🎊 『コンサータ』が、今、この地球に、存在していることに、感謝したい 🎊
と思います。
もちろん、王子に、サピックスではなく、他の選択肢を選ばせることも、できました。
これからも、サピックスとクスリ、以外の選択肢を選ぶことも、あると思います。
王子家が、クスリを、妄信しているわけでも、ありません。
ママリは、もっと良い選択肢を、いつも探していますし、あっちの方が良いと思えば、すぐに方向転換します。
ただ、全ての根本にある、ママリの願いは、ただ一つです。
王子に、笑顔でいてほしい♥
そのために、使えるものは、なんでも使う♬
こうして、王子は、サピックスに通っている日だけ、週に一度、クスリを飲むことになったのでした。