【王子 小2 7歳】
王子は、『コンサータ』という、注意欠如・多動に効く薬を、週に1回、飲んでいます。
王子は、3歳の頃に覚醒し、数星の王子になりました。
ママリは、数字が大好き♥な王子に、もっと、数字と触れ合う機会を与えたいと思いました。
年中の頃、習い事を考えはじめ、育脳系の塾、小学校受験向けの塾を、見学に行きました。
うーん、微妙でした。
王子が、家で、はまっていたドリルの方が、難しかったので、そう塾側にも伝えましたが、ママリが、モンスター扱いされました。
はい。
ママリは、もしかしたら、この辺では、有名な、親バカモンスターかもしれません(笑)
ただし、大都市の塾では、もっと難しい問題をやっている幼稚園児が、星の数ほどいるので、ママリが、大型のモンスターだとは、思っていません。
そこで、ママリは、王子には、そもそも、私立の小学校が向いているのでは、と考えはじめました。
ちょうど、王子が通っていた幼稚園には、付属の小学校があり、園の後に行われていた、お受験クラスもありました。
ここで、王子は数回、お受験勉強をしました。
が、この頃 (年中 4歳) 、市のカウンセリングで、『発達障害グレーゾーン』 (※今は、ブラックです) という判定が出ました。
ママリは、すぐに、幼稚園に報告しました。
当時の担任は、王子との相性が悪かったです。
この先生は、王子のことを、できない子だと思っていました。
王子が、「発達障害グレーゾーン」だと聞いて、先生は、
「チャタ君には、受験は難しいです。」
「他の子と遊べない子は、受かりません。」
と、はっきり、言われました。
「今は、遊べなくても、改善の余地があるならいいのですが、ないなら、受験クラスの参加も、難しいです。」
こうして、王子は、この幼稚園の付属の小学校に、門前払いをされました。
私立の小学校ですから、もちろん、学校側が、入学する子供を選べる立場です。
ママリが言えることは、何も、ありませんでした。
でも、よくよく考えてみると…。
この時、王子は、「発達障害グレーゾーン」の判定だったんですね。
グレーということは、その傾向があるけれど、そこまでひどくはなく、改善の可能性も、もちろん、ある、状態です。
だから、発達障害の、グレーと、ブラックは、話が、全く、違うのです。
それでも、先生は、無理だと言ったわけです。
この戦法でいくと、他の、沢山の人間も、ここの小学校には受からないと、ママリは思います。
ただ、私立の小学校は、礼儀正しい子を求めているので、仕方がありません。
もし、入学できていたとしても、王子は、苦労していたかもしれません。
もし、受験して落ちていて、その理由が、「友達と遊べなかったから。」だと、王子が知ったら、立ち直れなかったかもしれません。
そう考えると、今は、受験をとめてくれた先生の考えが、あっていたのかなと、思います。
ただ、当時は、悔しくて、
「中学校こそは、王子に合った学校に、行かせるぞー☆★」
と、ママリは、ものすごく、思いました。
『中学受験なら、王子の学力だけで、1つくらい合格を、掴みとれるはず★☆』
ママリは、そう、思っていたのです。
その後、小学校に入学した王子は、社交が苦手な部分 (自閉スペクトラム症) は、少しづつ改善されました。
でも、逆に、多動と、注意欠如の特徴が、かなり、出てきました。
1年のはじめの頃、立ったり、椅子から転がり落ちたり、体がユラユラ揺れていたり、椅子の上で正座したり、キョロキョロしていた王子について、支援級 (情緒学級) の先生から、こう、言われました。
「低学年の間は、こんな感じの子は多いので、大丈夫です。」
「でも、高学年も、このままだと、普通級には、いられません。受験も、難しいと思います。」
ががん。
ががーんです。
「お友達と、遊べない。」
次は、
「椅子に、座れない。」
だから、
「受験は、無理。」
と、言われたのです。
言葉が、なくなりました。
真っ暗でした。
主に、ママリの、まわりが。
中学受験なら、きっと、社会性が何とかとか、とかとか、言われず、学力勝負でいけるのではないか。
そう、考えていたのに。
まさかの。
「座れないから。」
ですって。
もちろん、言われていることは、理解ができます。
中学校で、王子が、ゆらゆら揺れていたら、他の子共の、迷惑になります。
みんなが言っていることは、正しいです。
私立でも、公立でも、どこの中学校でも、普通級は、難しいということでしょう。
王子は、好きなことには、集中します。
が、そうなると、体の様子が、おかしくなります。
例えば、ソファに座りながら、甲子園決勝戦の妄想をはじめて、だんだん、ずり落ちて、頭が床についている状態でも、ノートを手に、逆さまな状態で、スティックのりを耳に指しながら、計算したりしています。
王子は、「座らなきゃ。」と、常に、頭の中で、呪文を唱えていないと、座っていられないので、大好きな問題や妄想がはじまると、体は、自由に遊びはじめます(笑)
さらに、問題が終わると、次の、目についたものが気になり、体が、それを見に行ってしまいます。
なので、王子の場合、集中していても、体が動き、集中が切れても、体が動く、という、いつでも、体が動いてしまう子星人なのです。
『王子の、体が、王子の、考えや思いに、従いません。』
発達障害と、グレーゾーンの違いは、ここにあるのかなと、ママリは考えています。
もしかしたら、性格なら、人生を賭けた大勝負をするために、変えることが、できるかもしれません。
でも、多動の子は、大勝負をするために、座れるようにはなりません。
もちろん、改善はします。
実際、2年の王子は、椅子の上でフラフラするレベルまで、落ち着きました。
でも、改善には、年単位の、時間がかかります。
すぐには、できません。
王子家では、支援級に対する、偏見はありません。
王子が、全ての授業を、支援級で行うことに、否定的な気持ちはありません。
私立の中学校でも、各学校の方針で、全く違う教育方法を展開していることも、理解しています。
それが、王子に合わない可能性があることも、分かっています。
それでも。
なんでも。
王子を、私立の中学校に入れてあげたいと思ったのは、王子が、数字が、大好きだったからです。
レベルの高い中学校に入れれば、奇想天外な数学の問題に、出会えるかもしれない。
一緒に、メラメラ瞳を輝かせて、解こうとするクラスメイトが、いるかもしれない。
そう、考えたからです。
ただ、王子は当時、まだ、1年生でした。
学校の先生達も、病院の先生達も、
「多動は、年齢が上がれば落ち着くので、きっと大丈夫。見守っていきましょう。」
と、言っていました。
ママリも、それを聞いて、「そこまで心配しなくても、大丈夫かもしれない。」と、多動については、時間に、任せることにしました。
しかし。
しかしです。
ちょうどこの頃、1年の夏に、事件が起きました。
王子は、幼稚園時代、他の人間達が生まれながらに持っている標準装備 (他人と話す等) を持たずに、戦っていて、ボッコボコにやられ、自信を失くし、自分のことを『できない子』だと、考えていました。
そんな王子にとって、数字は癒しでした。
数字と遊んでいる王子の目は、キラキラ輝いていて、簡単な問題も、難しい問題も、大好きな、ただひたすら数字が好きな子星人でした。
しかし、1年生になり、王子は、自分が算数ができることを知り、そのことで他の人間から褒められたことが嬉しくて、だんだん、
「算数の問題を間違えると、褒められなくなるから、間違えたのを、隠したい。」
「そもそも、問題を間違えたくない。」
「だから、簡単な問題しか、やりたくない。」
「みんなと、同じくらいできてればいいや~。」
と、ゆっくりと、ゆっくりと、数星の王子らしさを、なくしていきました。
そして、この頃、さらに、一緒に遊んでいたお友達から、「数字が好きなんて、おかしい。」とか「算数が好きなんて、変。」と、言われてしまいました。
「短所だから、なおした方がいいよ。」と。
王子は、数字が好きなことを、学校で、隠すようになりました。
「みんなと、一緒が良い。」
王子は、そう言いました。
王子は、ゆるやかに、数字に対する情熱を、失くしていきました。
王子は、●●落とし穴●●に落ちたまま、◉底なし沼◉にも、はまってしまいました。
王子を、引っ張り上げる方法は、いくつかありました。
IQが高いお友達を、探す。
算数以外の趣味を、持たせる。
算数が好きな、仲間を探す。
ママリが選んだのは、学校以外で、算数好きな仲間を探すことでした。
なぜなら、これが、一番、思い当たる場所があったからです。
「低学年で、塾に通うような子供達なら、きっと、数字好きか、算数ができるに違いない。そして、塾なら、面白い問題をやるはず。王子が、また算数に情熱を持ち、友達もゲットできるのは、塾だ!」
ママリはそう思い、王子を、塾に、入れることを、考えはじめました。
塾の見学に行こうと、決心したママリでしたが、そもそも、
多動の王子は、塾に、通ってもいいのでしょうか?
と、この問題が、また、また、また、また、出てきたんですね。